総合型選抜やao入試が広がっていく中、推薦入試専門塾は数多く存在するようになってきています。そんな推薦入試専門塾の広告でよく目にするものは、手が届きそうにない大学に合格したというものです。たしかにそうした事例は存在します。一般入試においても、偏差値30程度から早慶や上智といった難関大学に合格した例は、当塾にも実在します。推薦入試においても、評定2.7の生徒が同志社に合格した事例も存在します。
しかしながらそれはあくまでレアケースであり、それが普通であると生徒や保護者が捉えてしまうような謳い文句は、やはり慎むべきであると思わざるを得ません。また、そうした謳い文句を発する事業者側の立場に立つと、レアケースでも事実は事実という価値観を持ち合わせていると思われます。そうなると、少ない可能性に賭けるという思考に大きく支配されることになります。
そもそもこの入試は、大学で何を学びたいのか。そこが一番の評価ポイントになるわけですから、その核を育成することとの乖離が生じてしまうはずです。つまるところ、分が悪くても世間的には大きく感じられる数少ない実績を、ことさら大きく見せるやり方は、教育産業には似つかわしくないなと思うのです。