■甲南大学について
甲南大学は、1910年に関西の実業家の間で設立された幼稚園と小学校がその歴史の始まりです。1919年にいまの甲南大学岡本キャンパスに中学校が設立され、その後、高等学校なども作られていきました。そして第二次世界大戦後、新生代学校へと昇格していくのです。
甲南大学には3つのキャンパスがありますが、メインキャンパスは阪急電鉄神戸線の岡本駅近くにある、岡本キャンパスになります。駅からも近く閑静な住宅街にあり、初めて行く人はそのセレブな雰囲気にきっと驚かれるでしょう。
●岡本キャンパス
〒658-8501 兵庫県神戸市東灘区岡本8-9-1
■甲南大学の公募推薦
2021年度入試より、甲南大学では推薦入試の多くを公募制推薦としました。この公募制推薦はGlobal型とTalent型の2つがあり、多くの受験生が挑戦できるのがTalent型になるでしょう。
■公募推薦Global型
この方式では、法学部・経済学部・経営学部・マネジメント創造学部・理工学部・知能情報学部・フロンティアサイエンス学部と、全ての学部が受験可能です。ただし出願資格は海外の高校で2年以上学んだ経験がある生徒のみとなっていますので、出願のハードルは高く、多くの受験生はこの方式には出願できないでしょう。
■公募推薦Talent型
この方式では、経済学部・マネジメント創造学部に出願が出来ます。経済学部に出願するのは、英検2級や全商簿記1級などの資格が必要となりますが、それほど高いハードルではありませんね。マネジメント創造学部の方は資格も必要ありませんから、出願は非常にしやすいと言えます。しかし、倍率が高くなる可能性があるので注意が必要です。
■試験内容
甲南大学の公募制推薦は、Global型もTalent型も一次試験は書類のみとなります。提出する書類は志望理由書と修学活動計画書となっており、これはかなり力を入れて書く必要があります。受験生の多くは評定を気にすると思いますが、実際に評定がそれほど高くなくても、志願理由書がきちんと書かれていれば一次試験突破を果たしています。
書類は力を入れて書く必要があるのですが、塾や学校の先生の手が極端に入っていると思われるものは、評価が低くなる傾向が見られます。素直にストレートに、自分のやりたいことを書く方が、合格に近づけるかと思います。
そして二次試験ですが。甲南大学では受験料の支払いが2回に分かれており、一次試験と二次試験の受験料を別々で支払う形をとっています。もちろん、二次試験の受験料を支払うのは一次試験合格者だけです。これは立命館も同じ形をとっており、受験者には優しいといえます。
この二次試験は面接になります。甲南大学は人物を評価しようと、面接には力を入れている印象があります。
■二次試験面接の雰囲気
甲南大学の面接ですが、受験者が話しやすいよう、雰囲気は柔らかく面接の間に雑談が混じることもあります。しかし学部によって違いもあります。2019年に経営学部当時行われていたAO入試を受験した生徒によると、面接の雰囲気はどちらかといえば緊張感があり、面接官は頷いてはくれるものの、雑談が混ざるようなラフさはなかったとのことです。また、お決まりの質問だけにとどまらず、経営に関する細かなことなども質問されたので、事前提出書類の内容を聞かれてもいいように準備することはもちろん、その学部で学ぶことを聞かれても答えられる、自分の考えを持ておくようにしましょう。
このように、推薦入試では人物を評価します。たとえ雰囲気がラフなものであったとしても緊張感があるものだったとしても、評価されるのはきちんと明確な目標、学修計画があることを忘れず、甲南大学でどんな学習をしたいか、卒業後はどんなビジョンを持っているかを、自分の意見を力強く述べるようしてください。
■英語面接について
甲南大学の公募制推薦では、マネジメント創造学部では面接の際に英語での質問もなされたようです。ただ、全てが英語というわけではありません。志望理由などの大事なことは日本語で問われ、英語での質問はどちらかといえば英語力を試されるような内容だったということ。相手のいていることをちゃんと理解しているか、そして自分の意見をちゃんと英語で話せるか。そうした英語力が問われるようです。
印象としては英検2級レベルだったようですが、面接官は英検の場合より親切な印象で、言い間違えたとしても、落ち着いて話すように促してくれたそうです。
■商業科推薦入学試験
甲南大学経営学部では、商業科推薦入学試験が行われています。これは、出身の高校が普通科ではなく、商業科の生徒のみが受験できるというものです。甲南大学にある公募制推薦の中で受験できるのは1つですから、公募推薦Talent型より、こちらの商業科推薦の方が倍率も低くやりやすいでしょう。
しかし、英検はもちろんですが全商簿記など資格が多い受験生の方が加点も多くもらえるためか、合格しやすいという印象があります。