■奈良県立大学について
奈良県立大学は奈良県奈良市に位置し、付近には世界遺産に登録されている東大寺や春日大社、元興寺などがあります。この奈良県立大学は、「奈良の再発見を通して日本と世界に貢献する」ことを建学の精神に掲げており、日本の歴史文化の原点である奈良の地で、歴史という時間軸と地域という空間軸の両面から、現代社会の諸問題を探求し、グローバルかつローカルな視点をもって、国際社会及び地域社会で活躍できる人材を育成するとしています。
学部は地域創造学部の1学部のみ。1学年150人前後と国公立大学の中では小規模の大学ですが、少人数であるからこそ教員との距離も近く、学びを深めるのに最適な環境となっています。学習コモンズ制度という画期的な教育システムが導入されていることも、この大学の大きな特徴の1つです。この学習コモンズとは、観光創造、都市文化、コミュニティデザイン、地域経済の4つの領域から自分の興味のある学問を中心に教員とともに深めていくというものです。学部は1つですが、観光学、経済学、経営学、社会学、人類学、地理学、政治学、歴史学、アートなど人文社会系の多くの分野を学べ、幅広い視野を身につけることが可能となっています。
■奈良県立大学の住所とアクセス
住所:〒630-8258 奈良市船橋町10番地
アクセス:JR奈良駅(東口)・近鉄奈良駅(7番出口)より徒歩約10分
■奈良県立大学の学校推薦型選抜
奈良県立大学では学校推薦型選抜という推薦入試が実施されており、地域創造学部が対象となっています。多くの国公立大学の学校推薦型選抜は専願となっており、奈良県立大学も専願となっております。ですので、原則としては、他の国公立大学の学校推薦型選抜を受験することができません。
■試験対策に関して
選考方法は小論文と面接、書類審査となっており、大学入学共通テストは課されておりません。小論文試験では大問2つ、試験時間90分となっております。令和5年度の過去問では大問1では英語の課題文を読み、課題文に関する各問について、述べていく形式です。英文の大問2では日本語の課題文が与えられ、2つの設問に答えていく形となっています。
英語の課題文のレベルはそれほど難しいものではありませんが、長文読解に自信のない生徒はしっかりと対策をしておくとよいでしょう。大問2では、日本語の課題文が与えられ、2つの設問に答えていく形になっています。設問1は字数が少し多いだけで国語の記述問題と大して変わりません。ですので、国語の記述問題と同じような対策をするとよいでしょう。設問2は課題文で述べられていたことに関連したことについて400 字以上 600 字以以内で説明するというものです。課題文の難易度は、英文と同様それほど難しくありませんが、普段から硬い文章に触れていない人にとっては、難しく感じるかもしれません。
面接は志望理由書や調査書などの提出書類をもとに行われます。ですので、志望理由書に記載した内容は当然答えられるようにし、それに加えて志望理由書では書けなかったことや、自分の考えなども答えられると、面接のクオリティは格段に上がります。そのためには、普段から自分の志望する学部に関連する知識やニュースなどの情報をチェックし、それについて深く考え、自分なりの意見を言えるようにしておくとよいでしょう。
また、志望理由書には、高校生の間に行った活動やなぜ奈良県立大学を志望したのかといった内容を書くのももちろん大切ですが、それに加え、大学でどのようなことをしたいのか、将来の目標など未来のことを書くのも重要です。
■併願校について
先ほども述べましたが、奈良県立大学の学校推薦型選抜は専願となっていますので、基本的に他の国公立大学を受験することはできません。ですので、もし併願するならば、併願可能な私立大学を総合型選抜で受験し、その後学校推薦型選抜で奈良県立大学を受験することになるでしょう。
関西圏にある私立大学で、併願可能な推薦入試が行われているのは、概ね以下のような大学となります。
関西大学、同志社大学、立命館大学、京都産業大学、近畿大学、甲南大学、龍谷大学